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教員推薦図書コーナー
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先生方の専門分野を興味深く垣間見ることのできる本を |
■2015年 3・4月 |
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アメリカがアメリカ合衆国となるまで 一般にアメリカはクリストファー・コロンブスによって発見されたとされています。しかし、アメリカには1万年以上も前からネイティヴ・アメリカンと現在では呼ばれているインディアンが住んでいました。インディアンたちは、アジアからアメリカ大陸へと繋がっていた時代である氷河期にアジアから渡ってきたといわれています。 その先住民たちの土地に最初に目を向けたのは、ヴァイキングと呼ばれるスカンジナヴィア系の人たちでした。記録として現在も残っているのは、アイスランドに住むビヤルニ・ヘルヨルクソンが『グリーンランド人のサガ』として12世紀後半に記したもの、アイスランドのレイフ・エリクソンが『赤毛のエリックのサガ』 として 13世紀半ばに記したものです。 当初はアジアを目指していたコロンブスが1492年、最初に到達したのは、アメリカではなく、現在のカリブ諸島でした。そこでそこに住んでいた人々を彼はインド人と間違え、インディアンと呼んだのでした。 その後、ヨーロッパ人がアメリカを目指してやってきます。16世紀は、北米探検時期であり、イギリス・カナダ・オランダは、東海岸から、スペインは西海岸から、現フロリダ州に加えて、中南米の多くの土地に入り込んでいきました。 1607年に現在のヴァージニア州の地に、イギリスの植民地、ジャイムズタウンが建設されます。イギリス国王ジェイムズ1世にちなんでつけられた名前でした。英国人たちは、最初は飢え死にしそうなほど悲惨な生活を慣れない土地で体験しましたが、その地のインディアンのポウハタン族に助けられます。彼らは、トウモロコシ、タバコの栽培の仕方を彼らから学び、生活が送れるようになります。隊長であったジョン・スミスと酋長の娘ポカホンタスとのロマンスが有名ですが、真実はどうだったのかはわかりません。 1620年に、メイフラワー号がプリマスの地に着きます。彼ら英国人はピルグリムファーザーズと呼ばれています。そして、聖書に基づく神の国を築くという理想のもとにボストンを中心とするマサチューセッツ湾植民地が広がっていきます。 彼らはピューリタンだったわけですが、彼らにとってのアメリカとは、本国イギリスでは受け入れられなかった彼らの宗教的共同体をより純粋なかたちで設立する聖地を意味していました。 イギリス、そしてヨーロッパから次々と人々がアメリカへと移住し、土地を開拓していき、先住民であるインディアンから土地を奪っていきました。インディアンはどんどん西へと追いやられていくことになります。 そして宗教におけるピューリタニズムは、勤勉と節約を説くベンジャミン・フランクリンの人生哲学に受け継がれていきます。そして、ピューリタンの精神主義と啓蒙思潮の合理主義とが混在するアメリカ独自の価値観が誕生することになりました。フランクリンの著作では、『自伝』
が有名です。彼は、自己を管理する者は自己自身よりほかない、とセルフ・コントロールの重要性を説いています。 このフランクリンやトマス・ペイン、トーマス・ジェファスンンらは信仰以上に理性を重んじており、1776年のアメリカの独立宣言に貢献し、アメリカ合衆国は戦争を経て、イギリスから独立することになります。 |
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