繪本大和童[復刻版] / [西川祐信画] ; 竹. -- 臨川書店, 1980.
30126183/ 所在:1階C1 /721.8||4||11
原本の刊年不明
西川祐信(にしかわすけのぶ) [1671―1750]
江戸中期の京都の浮世絵師。上方(かみがた)浮世絵の前半期を代表する美人風俗画家。江戸の浮世絵師に大きな影響を与えました。
この風俗画は「盤すごろく」で女の子たちが遊んでいるところです。
サイコロを2個使い、相手の駒が1つあるところに進むとそれを取ることができます。2つ以上あるところには進めません。
おもしろいことにその当時の盤双六のルールはヨーロッパに伝わった「バックギャモン」とほとんど同じです。ルールをまったく変えずにシルクロードを伝わってきたことに感動を覚えます。
日吉丸出世の鑑(ひよしまるしゅっせのかがみ) / 歌川国計画. -- 武蔵屋松五郎・具足屋重兵衛
2180313 【十五-24】
豊臣秀吉の出世を描いた巡り双六。
振り出しは誕生。「すのまた一夜城」や「四国大返し」など秀吉の代表的なエピソードを並べています。
上がりには「<真柴久吉>四海を納め、その名は天国までもとどろかす」とありますが、江戸時代は、羽柴秀吉を真柴久吉として脚色するのが通例でした。徳川幕府に遠慮してフィクションにしているのです。
源平(ふ)りわけ双六 げんぺいふりわけすごろく / 一壽斎芳員画. -- 萬屋吉兵衛
2180307【十五-18】
振出しで駒の進む方面を分けた上でゲームを進めるのを「振分双六」といいます。これは振り出しで源平に分かれます。
江戸時代の人が大好きな題材、源平合戦の飛び双六。歌川芳員は江戸時代末期から明治時代初期にかけての浮世絵師。合戦絵、武者絵を多く描きました。
八犬伝狗之草紙(はっけんでんいぬのそうし)/ 二代目栂蝶楼国貞(二代目歌川国貞)画. -- 蔦屋吉蔵. 嘉永5(1852)
2180311 【十五-22】
人気小説「八犬伝」を題材にした飛び双六。
滝沢馬琴が書いた『南総里見八犬伝』は、弘化5年(1848)から『八犬伝犬草紙』という挿絵入りの合巻になって大流行しました。
もちろん歌舞伎の題材にもなり、絵双六では、登場人物55人が歌舞伎役者の似顔絵で勢ぞろい。二代目歌川国貞はこの時期の代表的な絵師で、人気の役者の錦絵が一同に見られるので、歌舞伎ファンにはたまらなかったでしょうね。
自雷也豪傑双六(じらいやごうけつすごろく)/ 柳下亭種員撰案, 一雄斎国輝(歌川国輝)画. -- 和泉屋市兵衛. 嘉永5(1852)
2180308 【十五-19】
江戸末期のベストセラー『児雷也豪傑譚』の豪華で繊細な表紙絵や口絵を使った飛び双六。
蝦蟇、蛇、なめくじの妖術が炸裂する合巻『児雷也豪傑譚』は、天保10年(1839)から明治元年(1868)まで刊行されました。
書肆の和泉屋は、一流の絵師たちの錦絵を扱う江戸を代表する地本問屋です。子どもの玩具というよりは観賞用として質の高い作品が多く出板されました。和泉屋は当時人気のあった歌川一門を抱えていました。
新版遊女場双六(しんぱんゆうじょばすごろく)
2180309 【十五-20】
日本各地の遊郭を飛双六にしています。
振り出しは江戸の日本橋。日本橋近くに吉原(よしわら)がありました。その後明和3年(1657)の大火で浅草に移転。新吉原と呼ばれ、江戸時代を通して遊郭の最高峰となりました。
上がりは新吉原。両側は上方(かみがた)の有名な遊郭。下段は下級娼館です。右下は手ぬぐいを被り、ござを抱えた「夜鷹」左下は「船まんじゅう」次のサイコロ指示がないので、ここでゲーム終了。
花舞台当双六(はなぶたいあたりすごろく) / 一鶯斎国周(豊原国周)画. -- 辻岡屋文助
2180312 【十五-23】
江戸末期から明治にかけての歌舞伎の当り役者が勢揃いした飛び双六。
人気役者の錦絵がずらりと並び、現代のタレントのポスターのようです。
上がりは中村芝翫の樋口、「ひらかな盛衰記」の主役です。
振り出しは河原崎国太郎の善玉。「三社祭」の善玉・悪玉の一人ですが、若手のライバル役者が踊って踊って技量を競い合うので、今でも人気の演目です。
新版天幕替宇多端歌都都逸(しんぱんてんまくかえうたはうたどどいつ) / 一英斎芳艶・一恵斎芳幾画. -- 糸屋庄兵衛
2180310 【十五-21】
長唄、浄瑠璃と区別して短い歌を弘化以降に「端歌」と呼び始めました。端歌も歌舞伎も当時の人気のもので、当然双六の題材になっています。
名前が書いていないので、似顔絵と役名と役者紋によって誰だか当てる楽しみがあったのでしょう。
ちなみに右上の「飴売り」は十三代目市村羽佐衛門で、役者紋は渦巻。「猫の怪」は三代目尾上菊五郎でしょうか。
少年歴史地理雙六 : 少年世界新年大附録 / 巌谷季雄案・編集 ; 國觀畫. -- 博文館, 1910.12.(明治43)
30902244/ 所在:1階W2閉架 / 請求記号:798||Iw
振り出しの東京からこの時代の領土(台湾、平壌)を一周回って宮城(皇居)に戻る廻双六。土地の人物や事件を描いています。取り上げた事柄は時代の好みを反映していますね。
木版印刷に代わって一度に大量の印刷ができる活版印刷時代になり、国民の大半が雑誌を購読しました。特に明治28年(1895)創業の博文館は『太陽』『文芸倶楽部』『少年世界』をあいついで出版し、日本を代表する出版社となりました。
付録に双六がつけられるようになるのは明治後半になってからです。
少年帝都復興双六 : 日本少年第十九巻第一號新年大附録 / 増田義一編輯 ; 日本少年編輯局案 ; 林唯一畫. -- 實業之日本社, 1924.1.(大正13)
30902251/ 所在:1階W2閉架 / 請求記号:798||Ma
大正期になり最大手の博文館が凋落した後、新たに台頭した出版社も雑誌の付録に双六をつけることを踏襲しました。
前年に起きた関東大震災。復興後の近未来を描いています。飛行船を日常の移動に使い、太陽熱エネルギーの利用と、自動まんじゅうが並行して描かれている世界が素敵ですね。
出世双六 : 幼年倶楽部第五巻第一号正月号附録 / 笛木悌治編輯 ; 巌谷小波[ほか]校閲 ; 羽石弘[ほか]執筆・畫. -- 大日本雄辯會講談社, 1930.1.(昭和5)
30902237/ 所在:1階W2閉架 / 請求記号:798||Fu
テレビがない時代の少年たちの一番の娯楽は雑誌で、『幼年倶楽部』の新年号の発行部数は95万部にも達しました。講談社はすべての階層、年齢層を対象に発行し、日本で発行される全雑誌の7~8割を占めていました。
振り出しは二宮金次郎、1升目はナイチンゲール。
古今東西、偉人の幼少時のエピソードを披露して、上がりは「みんなそろってえらくなりませう」。
The mansion of bliss : a new game for the amusement of youth / by T. Newton. -- Holp Shuppan, 1979. -- (複刻世界の絵本館 . オズボーン・コレクション).
21386961/ 所在:1階C2閉架 / 請求記号:726.5||106||7
タイトルの日本語訳「幸福の館」
原本は1810年刊ロンドン
ヨーロッパの絵双六は「鵞鳥ゲーム」と呼ばれ、板の上に渦巻き形に鵞鳥や庭などが描かれていたそうです。
実物では、銅版画で刷られた絵を丸く切り取って、麻布の上に貼りつけてあります。
止まった升目の指示はルールブックを読みあげます。説明文は韻を踏んでいて、遊びながら道徳を身に付けるような内容になっています。
A ride through London : new panoramic game / illustrated by C. D. Hills. -- Facsim. ed. -- Holp Shuppan, 1984. -- (複刻世界の絵本館 . オズボーン・コレクション).
21387463/ 所在:1階C2閉架 / 請求記号:726.5||107||28
タイトルの日本語訳「ロンドン周遊」
原本は1855年頃刊ケント
ロンドン塔からテムズ川に沿って西へ西へと向かい、バッキンガム宮殿まで進む双六。サイコロの代わりに、数字の書いたカードを引く方式。
石版画の手彩色。
廻り双六
振り出しから出発し、交互にさいころを振って、出た目の数だけ進み、早く上がることを競うすごろく。道中双六など。
飛び双六
絵の各区画に移動先が示してあり、振ったさいころの目によって飛び移っていく 双六。
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