展 示
版画 |
~ 寒い冬は、画集を抱えて、おうちギャラリー ~ |
寒~い冬は、暖かい部屋にずっとこもっていたい・・・。
そこで、提案したいのが“おうちギャラリー”。
展覧会に出かけるのではなく、画集を家に持ち込み鑑賞します。本物の迫力にはかないませんが、画集なら好きなときに好きな環境で楽しむことができます。
その絵に合う音楽を選んで飽きるまで細部を眺めるもよし。お気に入りの作品に出会えるまでぱらぱらページをめくるもよし。
高価な画集こそ、是非図書館を利用してくださいね。
今回は、版画の技法を中心に作品を紹介します。版画の技法は凸版画、凹版画、平版画、孔版画の4つに分けられます。
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1.凸版画 |
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木版画 凸版画
木の板に彫刻刀で図柄を彫って、版を作り刷る技法。 |
檜書店旧蔵版木 観世流謡本「松風」 一丁
所蔵:古典芸能研究センター
謡本の専門店である檜書店の版木。この版木は明治まで実際に使用されていた。
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和本は、一部を除き大部分の印刷が、板に直接文字を彫った整版が使われた。
これに墨を塗り印刷をする。 刷り上った紙を一枚ずつ半分に折り 順に重ねて表紙を付け、
折っていない方を糸でかがって袋綴じにする。版木の中央のオモテとウラの間にある文字は、
柱(はしら)と呼ばれ、たいていは題名や巻、丁が記載された。
この版木は「松風」「一」とあり、一丁目のオモテとウラになる。 |
松風 / 丸岡桂訂正. -- 観世流改訂本刊行会, 1916. -- (観世流改訂謡本 . 内10).
請求記号:768.4||Ka 資料ID:21912290 配置場所:貴重
花舞台当双六 (はなぶたいあたりすごろく )
登録番号:2180312 請求記号:【十五-23】 配置場所:貴重
絵師 一鶯斎国周画 書肆 江戸 辻岡屋文助
一鶯斎国周 〈豊原国周〉 ( いちようさい くにちか [とよはら くにちか], 1835-1900 )
明治期の芝居絵、役者絵の中心的存在。豊原周信、三代歌川豊国に学び、役者
似顔大首絵を多数制作して「役者絵の国周」として知られた。
錦絵 (浮世絵) は色ごとに十数枚の色版を重ねて刷る多版多色刷木版画である。
何枚かの紙を継いでいるため、よく見ると版によって着物の色が違っている。
棟方志功いのちを彫る / 棟方板画美術館監修. -- 小学館. -- (アートセレクション).
資料ID:11019176 請求記号:732.1||10 所蔵館:ポーアイ
棟方志功 (むなかた しこう, 1903-1975) 青森出身の木版画家。
ゴッホの複製画に魅せられ、独学で油絵の制作を始めた。やがてゴッホも賛美した
浮世絵から木版画を手がけるようになる。その後各展に出品し評価を確立した。
自身は 版画 ではなく 板画 と書くほか、自分の日本画を 倭絵 (やまとえ) と称した。
Milton's Paradise lost / illustrated by Gustave Doré ; edited, with notes
and a life of Milton by Robert Vaughan. -- Pollard & Moss, 1885.
資料ID:20729318 請求記号:930.25||24 配置場所:貴重
ポール・ギュスターヴ・ドレ (Paul Gustave Doré, 1832–1888) フランスの挿絵画家。
ダンテ、バルザック、フランソワ・ラブレー、バイロン、ミルトンなどの作品に挿絵を
描いて、古典名作を次々と視覚化した。
挿絵の原画は主にペンで描かれ、小口木版として印刷された。
場面説明 … 『失楽園』 は、ジョン・ミルトンが 『創世記』 を元に作った叙事詩。
神に放り出されたサタンが天国を奪回しようと、エデンに向かう。
そこでサタンは神の被造物「人間」を見つけ、陥れるために、蛇に
乗り移り、イブに禁断の知恵の実を食べるようそそのかす。
最終的にイヴとアダムは禁断の実を食べてしまい、二人はエデン
の園を追放されてしまう。
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けしごむ版画 凸版画
ナンシー関消しゴム版画 / ナンシー関著 ; ボン研究所編. -- メディアファクトリー
ダ・ヴィンチ編集部, 2003.
資料ID:30817241 請求記号:736||Na 配置場所:3階M7
ナンシー関 (ナンシー せき, 1962-2002) イラストレーター、評論家。
大学在学中から消しゴムに彫った有名人の似顔絵が認められ、「消しゴム版画家」と
して話題をよぶ。TVの辛口コメンテイターとしても活躍していたが、享年40歳で急逝。 |
2.凹版画 |
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エングレービング , ドライポイント 凹版画
銅などに線を彫り、その溝にインクを詰めて刷る方法。
エングレービングはV字型の刃で切り出すため、その削りくずは版上には残らず、緻密な線を
彫ることができる。一方ドライポイントは先のとがったもので引っ掻くため、線の回りに「まくれ」
ができ、そこにインクが引っ掛かって、にじんだような線ができる。
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デューラー : 1471-1528 / フランシス・ラッセル著 ; タイムライフブックス編集部編.
--タイムライフブックス , c1973. --(巨匠の世界)
資料ID:20251697 請求記号:708||39||3 配置場所:3階M2
アルブレヒト・デューラー (Albrecht Durer, 1471-1528)
ドイツ・ルネサンスを代表する画家、版画家。
印刷技術の向上により活版印刷と版画挿絵を組み合わせた本が大量に出版されるように
なった当時、デューラーは挿絵という概念を超えて豪華な版画集を刊行した。
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メゾチント 凹版画
銅等の表面にむらなく刻みや点々を打ち、最初に版を真っ黒にしておいてから、工具でめくれを
削って、白い部分を作っていく方法。
棟方志功・長谷川潔 / 小倉忠夫責任編集. -- 集英社, 1987. --(20世紀日本の美術 :
アート・ギャラリー・ジャパン; 18)
資料ID:10620175 請求記号:720.8||10||18 所蔵館:ポーアイ
長谷川潔 (はせがわ きよし, 1891-1980) 第一次大戦後渡仏し、没するまでフランスで活躍した。
油絵のほかに全版画技法を研究したが、なかでもフランスですでに失われていたメゾチント
技法を復活させ、独自の工夫を加え開花させた。
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エッチング , アクアチント 凹版画
直接板を削るのではなく、腐食させて溝を作る技法。
エッチングは、銅の表面に防蝕膜を塗り、その上をニードルなどでひっかいて銅の露出した線を
作る。これを銅の腐蝕液につけると、膜がはがれた部分だけが腐食されて溝ができ、版になる。
アクアチントは、防蝕膜とまつやに等の粉末を塗って腐食液に浸し、広い面積にわたり諧調の差
をつくる技法。
Alice in wonderland / ルイス・キャロル原作 ; 宗方あゆむ再話 ; 山本容子絵.
-- ラボ教育センター, 2005.3.
資料ID:30605794 請求記号:726.5||Ca 配置場所:3階パソコン自習室
山本容子 (やまもと ようこ, 1952- ) 埼玉県生まれの銅版画家。
柔らかい描線と独特の彩色が特徴で、書籍の装丁や挿絵、アクセサリーのデザインなども
手がける。
ルオー全版画 / ルオー[画] ; フランソワ・シャポン[解説] ; 柳宗玄[ほか]翻訳 ; 2.
-- 岩波書店, 1979.
資料ID:21331879 請求記号:723.35||6||2 配置場所:1階C2
ジョルジュ・ルオー (Geroges Rouault, 1871-1958)フランスの画家。
生涯キリスト教に基づいた主題を描き続け、20世紀最大の宗教画家の一人と呼ばれる。
荒々しいタッチの油絵も有名だが、版画も多く残した。
重厚な黒の輪郭線と独特の色合いが特徴。
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3.平版画
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石版画(リトグラフ) 平版画
油が水をはじく原理を利用する技法。以前は巨大な石に描いていたが、近年は扱いやすいアルミ
板を使うことが多い。専用のアルミ板などに油分の強いチョーク、クレヨン、油性のペンシル(ダー
マトグラフ)などで描き、アラビアゴムや薬品を塗って、版を作る。
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Lautrec / Edward Julien ; translated from the French by Helen C. Slonim.
-- Crown publishers, [1991].
請求記号:768.4||Ka||1-11 資料ID:21912948 配置場所:貴重
アンリ・ド・トゥルーズ=ロートレック (Henri de Toulouse-Lautrec, 1864-1901) フランスの画家。
「人間は醜い、されど人生は美しい」の言葉を残したトゥルーズ=ロートレックは、場末の娼婦や
踊り子などをモデルに 、人間の醜さの中にある生きる美しさを描いて、数多くの作品を残した。
パリのムーラン・ルージュなどのポスターを手がけ、それを芸術の域にまで高めた。
Klee / Douglas Hall. -- rev.enl.ed. -- Lond., 1992.
資料ID:21348778 請求記号:723.345||2 配置場所:1階D5
パウル・クレー (Paul Klee, 1879-1940) スイス生まれの画家。
カンディンスキーらとともに青騎士グループを結成し、ドイツの美術学校バウハウスに教授と
して招聘された。キャンヴァスに油彩で描いたものは少なく、新聞紙、厚紙、布、ガーゼなどに
油彩、水彩、テンペラ、糊絵具などさまざまな画材を用いて精神や幻想的な世界を表現した。
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4.孔版画
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シルクスクリーン 孔版画
シルク等のスクリーンを版として画面を構成する。
インクが通過する孔(あな)とインクが通過しないところを作ることで製版し、印刷する表現。
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アンディ・ウォーホル全版画 : カタログ・レゾネ1962-1987 / [アンディ・ウォーホル作] ;
フレイダ・フェルドマン, イョルグ・シェルマン編 ; 木下哲夫訳. -- 第4版. -- 美術出版社, 2003.
資料ID:30642454 請求記号:737||Fe 配置場所:3階M3
アンディー・ウォーホル (Andy Warhol, 1928-1987) アメリカのイラストレーター。
もともと雑誌『ヴォーグ』の広告イラストなど商業デザイナーとして成功していたが、ポップアートの
世界に転身し、その後シルクスクリーンを用いた作品を大量生産して一躍有名になる。
資本主義が生み出した工業製品や有名人のポートレートをモチーフとし、自らのアトリエをファクト
リー(工場) と呼んで、制作を労働としてイメージした。
「プリントゴッコ」のハイテクニック : 新版画・サーマルグラフの魅力 / 谷本亮輔. -- 美術出版社.
資料ID:10804063 請求記号:707||2||150 所蔵館:ポーアイ
プリントゴッコ
1980年~90年にかけて、年賀状などの家庭用印刷に広く普及したプリントゴッコもシルクスクリーン
の原理を利用している。
原稿をカーボンを含む筆記具で作成し、スクリーンにフラッシュランプで熱転写してカーボン部分を
感応させる。これによりその部分がインクを透過するようになり、版ができる。
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5.神戸の版画家
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川西英(かわにし ひで, 1894-1965) 兵庫区生まれの木版画家。
神戸市兵庫区生まれの川西英は、神戸に代々続く回船・穀物問屋の七男として生まれ、版画は
独学で習得した。
地元神戸をこよなく愛した川西は三つの神戸の百景を手がけた。一つ目は戦前の神戸の都市風俗
を捉えた『神戸百景 (1933-36)』、二つ目は戦後に制作された『神戸百景(1952-53)』、三つ目は神戸
新聞に2年間連載された『兵庫百景( 1962-1963)』である。
「この街が持っている新鮮さ、明るさ、異国情緒といったものに感謝したい」 と常々語っていたよう
に、彼の描く神戸の風景やサーカスに取材した作品は、モダニズムとエキゾティシズムにあふれ、
見る者をたいそう魅了する。
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川西英オリジナル版画 「トリオ」1979
「途上」1979
「曲芸団」1979
「ミス・コウベ」1979
川西英自画自刻自摺版画 「ばら」
以上5点 神戸女子大学・神戸女子短期大学図書館所蔵
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木版画ノート / 視覚デザイン研究所編. -- 視覚デザイン研究所, 1988.
-- (みみずく・アートシリーズ).
資料ID:30751538 請求記号:733||Sh 配置場所:3階M7
銅版画ノート / 視覚デザイン研究所・編集室著. -- 視覚デザイン研究所, 1988.
-- (みみずく・アートシリーズ).
資料ID:30751521 請求記号:735||Sh 配置場所:3階M7
石版画 : lithograph / 阿部浩著. -- 弘隆社, 1996.
資料ID:30751569 請求記号:734||Ab 配置場所:3階M7
版画事典 = Encyclopaedia of prints / 室伏哲郎著. -- 東京書籍, 1985.
資料ID:21019463 請求記号:730||2 配置場所:3階L5
事典プリンツ21(21st century) : 版画・写真・CG・印刷・染色 = Treasury of prints21
/ 室伏哲郎編・著 . -- プリンツ21, 1997.
資料ID:30321267 請求記号:749||2 配置場所:3階L5
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